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松素まつもとめぐり先生にインタビュー(3)

2025年3月27日 by 佐藤史緒莉

【第3回】「保健室経由、かねやま本館。」シリーズひとこと解説と人生において影響を受けた作品

(1)「保健室経由、かねやま本館。」シリーズひとこと解説かいせつ


──それでは、先生による、「保健室経由、かねやま本館。」シリーズの各巻ひとこと解説をお願いします。第1巻には、先生の小中学生時代の実体験じったいけんも存分ぞんぶんに盛もり込こまれています。

「第1巻は、主人公のサーマを通して、中学生女子なら誰もが経験する、ちょっと女子の嫌なところあるあるを書きました。小学校の時には人気者だった主人公のサーマが、転校てんこう先の中学校で遭遇そうぐうする事態じたいは、大人になってから、友人などに聞いてみると、意外とみんな経験があるんですよね。あとは、運命うんめい的な出会いの予告編よこくへんのような、サーマとアリの出会い。必ずみんな『出会える』というのを伝えたくて」


──第2巻は、先生の子どもの頃の夢の一つでもあったお笑い芸人のお話です。

「子どもに干渉かんしょうしすぎるお母さんが出てきます。子どもを思いやりすぎてしまって、子どもの世界をせばめてしまうという。親、家族の存在は、中学時代はすごく大きいと思うのですが、不思議ふしぎなもので、大人になると、ある程度ていど距離きょりが持てるようになるんですよね。あとは友人という存在があることで、悩みから抜け出すことができるということを、第2巻では伝えたかったです」


──第3巻には恋愛要素ようそが入ってきます。

「この巻では、キュンとしてほしいという思いがあったのと、純愛じゅんあいものがすごく好きなので、一途いちずな思いを描いてみたかったんです。私は作家もやりつつ、絵を描く仕事もしていて、『絵を見た人が、それぞれ自分のストーリーを思い浮かべられるといいな』と思いながら描いているのですが、そんな思いもこめています。私も主人公のムギと同じように、公園の遊具ゆうぐに悪口を書かれたことがありました。今はむしろSNSの中で悪口を書かれたり、仲間外れが起きたりすることが常ですが……」


──第4巻では、新しいキャラクターや死後の世界が出てきます。

「自分は全然ちゃんとした人間じゃないので、周りに助けてもらっているし、亡くなった家族や友人たちといった、先に旅立った人たちも、今ここで生きている私を応援おうえんしてくれていると信じて生きています。第4巻は、大切な人を亡くした人に読んでほしいという思いが一番にあって、きっとあなたを見守ってくれているんだよというメッセージをこめました」


──第5巻は、自分では気づかぬうちに深刻しんこくな悩みを抱えこんでいた少年・ミキに、謎なぞの「かねやま新館」が近づいてきます。

「私たちが生きる今、戦争せんそうをはじめ、いろいろな悲しいニュースがあふれています。きれいごとじゃない世の中で、明るい方向を選えらびとる勇気ゆうきのようなものを書きたくて。第5巻から悪役のようなものを登場させ、誰もが抱える闇やみの部分を書こうと思って、『かねやま新館』という、『かねやま本館』と対極たいきょくに位置いちするような場所を登場させました」


──2023年5月に出た第6巻では、さらに踏ふみ込こみます。

「今回は、自分を好きになれずに、ちょっとやけになっている女の子、ヨシノが主人公です。『自分なんて誰にも愛されていない』と思っていたヨシノが、『かねやま本館』と出会い、どう変わっていくのか。主人公といっしょになって迷ったり、癒いやされたり、時にハラハラしながら、物語を楽しんでもらいたいです。マイナスに引ひっ張ぱられていく誘惑ゆうわくに勝てるのか? 世の中には心を惑まどわされるような出来事がたくさんあります。その中でも必死ひっしに光のさす方向へと足を踏ふみ出していく、そんな力強い瞬間しゅんかんを書きました」


──ありがとうございます。これに続く第7巻も楽しみです。ちなみに、「かねやま本館」にはいろいろな効能こうのうの温泉おんせんが登場とうじょうしますが、先生だったらどのお湯に入りたいですか?

「漆黒しっこくの湯(効能こうのう:内省ないせい)ですね。本当は全部入ってみたいですけれども、内省は、もう本当に調子に乗のって失言しつげんすることが多いので、もっと反省して次に生かせるように自分を顧かえりみるという温泉に入らなくてはいけないなと思っています」



(2)松素めぐり先生が人生において影響えいきょうを受うけた作品

──インタビューの中でも「人生の中で苦しい時、悩みの中にいる時も、本を読んで物語や登場人物たちから力をもらう」、「悩みや問題に直面ちょくめんした時は、自分の原点げんてんとなる本があるので、それを読み返す」とありましたが、先生が人生において影響を受けた作品について教えてください。

📕『ナルニア国物語 ライオンと魔女まじょ』(岩波書店)

「読後、主人公といっしょになって自分まで成長しているような気持ちになれて、アスランがどこかで見守ってくれているような勇気をもらえます。読む時の自分の状況によって、共感きょうかんする登場人物も変わってきたりして、読むたびに発見をもらっています」


📕『パスワードは、ひ・み・つ─パソコン通信探偵団たんていだん事件ノート』(講談社)

「このシリーズはおもしろすぎて教えたくないと思ったくらいです。大好きな友人を独り占めしたい気持ちと同じです。読み終わってからもずっとかばんに入れていて、持っているだけで『自分もメンバーの一員だ』というようなワクワク感に酔いしれていました」


📕『ホームレス中学生』(ワニブックス)

「何度も読み返している愛読書あいどくしょ。初めて読んだ日に『私も作者の田村裕さんのような、やさしい人間になりたい』と日記に書いたことを今でも覚えています。おもしろくて、切なくて、がむしゃらで、何度読んでも心が熱くなります。田村さんは私の尊敬そんけいする人です」


📕アニメ『世界名作劇場げきじょう』(日本アニメーション)

「『小公女セーラ』や『ロミオの青い空』など、切せつなさ、悲かなしさ、忍耐にんたい、苛立いらだち、憎にくしみ、愛いとしさ、喜よろこび、ありとあらゆる感情かんじょうを追体験ついたいけんさせてもらったと思っています」


3回にわたり、お届けした松素めぐり先生のインタビュー記事がいかがでしたか? この機会きかいに、一人でも多くの方に、「保健室経由、かねやま本館。」シリーズに興味きょうみをもっていただき、読んでいただけたらと思っております。


📚「保健室経由、かねやま本館。」シリーズ
著:松素めぐり/イラスト:おとないちあき


松素めぐり(まつもとめぐり)
1985年生まれ。東京都出身。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同シリーズ1〜3巻で第50回児童文芸新人賞を受賞(シリーズは現在第6巻まで刊行中、この冬に第7巻刊行予定)。アンソロジー短編集『1話10分 謎解きホームルーム』(新星出版社)第4、5巻にも作品が収録されている。そのほかの作品に『おはなしサイエンス 宇宙の未来 パパが宇宙へ行くなんて!』(講談社)がある。


カテゴリー: インタービュー

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