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絵本作家 最勝寺さいしょうじ朋子ともこさんにインタビュー①
絵本『しらすどん』への思い

2026年2月11日 by yoshioka

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絵本『しらすどん』(岩崎いわさき書店)は、2021年に出版しゅっぱん後、たくさんの子どもたちに読まれています。

ゆたかな海の色を思わせる茶わんの中で、シラスを抱かかえて眠ねむる少年の表紙が印象的いんしょうてきな本作。ページをめくって始まる物語は、平和な少年の日常にちじょうの世界……のはずでした。

みなさんは、目の前の食卓しょくたくに並ならぶ料理りょうりの食材しょくざいが、どのようにして今、自分の目の前にあるのかを考えたことはありますか? 

ふだん何気なく食べている、シラス。

『しらすどん』は、イワシの赤ちゃんであるシラスという小さな命が、どのようにして今、自分の目の前にあるのかを伝つたえます。食べ物の大切さについて、改あらためて考えさせられる絵本です。



『しらすどん』をつくった絵本作家、最勝寺さいしょうじ朋子ともこさんに、『しらすどん』への思いについて、そして最勝寺さいしょうじさんの人生について伺うかがいました。

ここでは、『しらすどん』の制作秘話せいさくひわや最勝寺さいしょうじさんが絵本にこめた思いについてお届とどけします。


【『しらすどん』ができるまで】


──『しらすどん』はどのようなきっかけやアイデアから生まれたのですか?

私わたしの身近な人で、食べ物を決して残のこさず、特とくにシラスやサクラエビについては、わずかでも残のこってしまうことに対して強烈きょうれつに気にする人がいるんです。

小さな食べ物でも、もともと1匹ぴき1匹ぴきにそれぞれ命があるのだから、肉や魚の切り身のひとかけらを食べ残のこすのとは訳わけが違ちがうという考え方のようなんですね。

「ちゃんと全部食べてもらえるのか気になってドキドキしちゃう!」と言って、ほかの人のお皿の中までチェックしないと気が済すまないんです。

もはや「シラスハラスメント」といっても過言かごんではないですが、私わたしからすると、その姿すがたが最初さいしょは滑稽こっけいに見えて、創作そうさく意欲いよくを大いに刺激しげきされました。

一人で落ち着いてシラスのことを考え始めると、自分も子どものときに食べ物の命についてよく考えていたことを思い出しました。

私わたしたちは、ほかの生き物の命をもらうことでしか生きていけません。子どものころ、そのことに気づいたとき、とてもショックで、悲しかったです。

身近な生き物に親しみを持っていたからでしょうか、「誰だれも殺ころされない世界に生まれたかった!」と思いました。

中学生くらいまではたまに、そんなふうに悲しい気持ちになることがあった気がします。

でも、受験じゅけんを経験けいけんしたり、会社で働はたらいたりする中で、だんだん余裕よゆうがなくなってきて、ごはんのときにいちいちそんなことを考えなくなっていたんですよね。

シラスの絵本を描えがくなら、子どものころの自分が感じていた、そんなどうしようもない気持ちに寄より添そえるような絵本にしたいと思いました。

たくさんの食べ物の命が食べられないままごみに捨すてられている「フードロス」という問題についても、調べました。

「自分たちはいつも食べる側がわだ。食べられる側がわになることはない」とたかをくくって命を粗末そまつにしていれば、いつか報むくいを受けることになるかもしれない……。

そんなことを考えているうちに、「自分が残のこしたシラスの代わりに、シラスの一生を体験たいけんする」というストーリーが浮うかんできました。

ストーリーの構造こうぞうとしては、手塚てづか治虫おさむ先生の『火の鳥(異形編いぎょうへん)』(朝日新聞出版)に影響えいきょうを受けていると思います。


──『しらすどん』を制作せいさくする中でたいへんだったことはありますか?

目の前の食べ物は、どんな一生を送ったのだろう。どんなふうに、私わたしのお皿の中に連つれてこられたのだろう。私わたしの家から出したごみは、結局けっきょく最後さいごどうなるのだろう。

この絵本を作るにあたって、子どものころに答えが出ないまま、いつのまにか大人になって考えなくなっていたことと、真剣しんけんに向き合ってみようと思いました。

そのために、シラスが体験たいけんしていることをできるだけ全部自分で体験たいけんして、一生を可能かのうな限かぎり理解りかいしてから絵本を作ると決めました。


──絵本には海の中でのシラスの様子や漁りょう、ゆでられる様子なども描えがかれていますが、具体的ぐたいてきにはどのような体験たいけんをされたのですか?

自分がやっていった順番じゅんばんとは違ちがうのですが、わかりやすい順じゅんに説明せつめいすると、まず神奈川県立かながわけんりつ生命せいめいの星ほし・地球博物館はくぶつかんの魚類学ぎょるいがく講座こうざを受講じゅこうして、魚の体の仕組みや図鑑ずかんの引き方を学びました。

そして、『日本産さん稚魚ちぎょ図鑑ずかん』(東海大学出版しゅっぱん会かい)と顕微鏡けんびきょうを買いました。

図鑑ずかんには、魚の種類しゅるいごとに消化管しょうかかんの長さや目の大きさ、ふん(口先)の長さなどの体の特徴とくちょうが書いてあります。顕微鏡けんびきょうでシラスを見ながら図鑑ずかんと見比みくらべることで、目の前のシラスがどの種類しゅるいの魚の赤ちゃんなのかがわかります。

釜揚かまあげシラス1パックの中に、どの魚の赤ちゃんが何匹びきいるのかを数えてみたりもしました。


釜揚げしらすの中のカタクチイワシだけを取り出して、体の大きさ順に並べて観察(写真提供:最勝寺さん)

産地さんちや加工かこうの方法ほうほうによって、魚の種類しゅるいやその割合わりあいが違ちがうことなどがわかってきました。

同じ種類しゅるいの魚ごとに大きさ順じゅんに並ならべてみると、成長せいちょうする過程かていでどんなふうに体が変化へんかするのかが見えてきました。

それから、顕微鏡けんびきょうで釜揚かまあげシラスを観察かんさつして、描えがいてみました。

顕微鏡けんびきょうで見ると、同じ種類しゅるいでもそれぞれ顔立ちや体つきが違ちがうのがよくわかります。

私わたしたちが一人ひとり違ちがうように、シラスたちもそれぞれに生きた時間があるのだと実感させられました。


──確たしかに絵本の中で、シラスたちはよく見ると1匹ぴき1匹ぴきがいきいきと、とてもていねいに描えがかれていますよね。

シラスを並ならべて見てみると、顔が全然ぜんぜん違ちがうんです。

ウルメイワシのシラスは顔がすごく細長いとか、それがわかり始めると、すごくおもしろくなりました。

カタクチイワシとマイワシも全然ぜんぜん違ちがいますし、知ってから食べると、感じ方というか重みが変かわってきます。

だから、1匹ぴき1匹ぴきを残のこすことができないという気持ちもわかるのですが、一方でシラスもほかの生き物を食べていて、それを私わたしたちは食べているという事実を、そのまま受け入れることも大切だと思うんですよね。

『しらすどん』を読んだときだけでいいから、そういうことをたまに思い出してくれたらいいなと思っています。


──そして絵本ではいきいきとした海も描えがかれています。

「シラスといっしょに海で泳ぎたい! シラスが海で泳いでいるところを見てみたい!」と思い、ダイビングスクールに通って、スキューバダイビングの練習を始めました。

海底かいていでマスクやレギュレーターをはずして装着そうちゃくし直す訓練くんれんなどは正直こわかったのですが、先生や先輩せんぱいダイバーさんたちの励はげましで、なんとか潜もぐれるようになりました。


ダイビングの様子(写真提供:最勝寺さん)

──潜もぐってご自身の目で見た海の中はいかがでしたか?

自分が思っていたよりもカラフルで、個性こせい豊ゆたかな生き物たちが地元の海にいて驚おどろきました。

岩礁がんしょうの近くでは、鮮あざやかな青色のソラスズメダイや橙だいだい色のキンギョハナダイ、ネンブツダイの群むれがひらひらと泳いでいました。

インストラクターさんに促うながされて岩陰いわかげや海藻かいそう、イソギンチャクの中をそっと覗のぞくと、赤白の縞模様しまもようのオトヒメエビ、頭に皮弁ひべん(突起とっき)を持つコケギンポ、タツノオトシゴの仲間なかまのつがいなどがいました。

砂地すなちの上では、ハナアナゴが海底かいていの穴あなから顔を出していたり、ヒメジが黄色いひげを動かしながら進んでいたりしました。

ほかにも、クラゲ、ゴカイ、ウミウシ、ヒトデ、ウニ、ナマコ、貝などたくさんの生き物を見ることができて、ゆたかな場所なのだと感じました。

食材しょくざいとして親しみのあるアジやヒラメ、コウイカなどが、海の中で生きている姿すがたを見ることができたのもよかったです。


──シラスが泳いでいるところも見ることができたんですよね。

シラスと呼よばれているカタクチイワシやマイワシなどの赤ちゃんは、同じところにじっとしているわけではないので、狙ねらって見に行くことはできません。だからこそ、運よく海の中で出会えたときは、とてもうれしかったです。

それまでに釜揚かまあげシラスや生シラスを見ながら魚の種類しゅるいを見分ける練習れんしゅうをしていたおかげで、目の前にいるのがカタクチイワシの赤ちゃんの群むれだと見当がつきました。海の色に染そまる透明とうめいの体はきらめいて、とても美しかったです。


──漁船ぎょせんにも実際じっさいに乗ったのですか?

「シラスといっしょに海で網あみにかかりたい」とも考えていたのですが、私わたしがいっしょに網あみの中に入ってしまったら、網あみの中のシラスが全部売り物にならなくなってしまうので、だめですよね。せめて網あみにかかる瞬間しゅんかんを見たいと思い、漁師りょうしさんにお願ねがいしてシラス漁りょうに同行させていただきました。

11月下旬げじゅんの早朝のことで、海の上を船で進むと、冷つめたい風が体に当り、震ふるえや鼻水が止まりませんでした。

それなのに、漁師りょうしさんは腕うでまくりをして、長い網あみを力強く引っ張ぱり、てきぱきと仕事をこなしていきます。そして、シラスがとれたら、氷水に入れて素手すででかき混まぜるんです。

どうして素手すででやるのかと聞いたら、「なるべく新鮮しんせんなまま届とどけたいからそんなこと気にしてられないよ」と言われました。

それを聞いて、私わたしは漁師りょうしさんへの尊敬そんけいと感謝かんしゃの気持ちで胸むねがいっぱいになりました。

網あみにかかるときのシラスの身になってみたかったはずなのに、網あみにかかって動かなくなっていくシラスを見て思ったのは、とにかく「おいしそう! 食べたい!」でした。


──絶対ぜったいにおいしいですよね。

新鮮しんせんなシラスは、それまでに食べたことがないほどおいしかったんです! ふしぎと、生き生きとした気持ちになりました。シラスのように、自分も海で暮くらす生き物になれたように思いました。

卵たまごの状態じょうたいからどんなふうに大きくなっていくのかについては、海の中で卵たまごを見つけて観察かんさつするのは難むずかしいので、研究者の先生が撮影さつえいした動画をお借かりしたり、神奈川県かながわけんにある新江えノ島水族館のシラスの展示てんじを見に行ったりしました。

ほかにも、ごみ処理しょりセンターやシラスの加工場かこうじょうなども取材しゅざいさせていただきました。

たいへんではありましたが、さまざまな取材しゅざいを重ねるうちに、シラスの一生が少しずつ見えてきたので、とてもやりがいがありました。


──そうした経験けいけんもあってか、絵本の海の色はページによって違ちがう印象いんしょうを受けました。

自分が実際じっさいに潜もぐったこともあって、深さによって海の色に違ちがいがあることも描えがき分けたかったので、色をわざと変かえて描えがきました。


『しらすどん』の原画。原画展などで見る機会があれば、ぜひ絵本と見比べてみてください

私わたしにとっては初はじめての絵本で、印刷いんさつでどの色が出にくいとかを考えないで描えがいてしまっていました。印刷いんさつで原画のような色を出すのは難むずかしかったそうで、実際じっさいに絵本になった際さいに、担当たんとうの編集者へんしゅうしゃさんが「ここまで表現ひょうげんできるのは、それだけの技術ぎじゅつがあってこそなんですよ」と教えてくださいました。

印刷所いんさつじょにも通わせていただき、勉強させていただきました。

絵本の印刷いんさつで色味を調整するプリンティングディレクションを担当たんとうしてくださった髙栁たかやなぎさんや、東京印書館いんしょかんさんのみなさんが、私わたしの思いをくみとってくださったので、本当に感謝かんしゃしています。

原画はアクリル絵の具で描えがいているのですが、原画よりも良よくしていただいたページがたくさんあります。

私わたし自身が紙の絵本が大だい好すきなことから、紙の絵本へのこだわりが強つよく、用紙も環境かんきょうのことを考えてFSC ©︎認証紙にんしょうし(認証にんしょうを受けた森林から伐採ばっさいした木材もくざいを原料げんりょうに、木材もくざいの輸送ゆそうから紙の加工かこう、印刷いんさつにいたるまで審査しんさされた事業者が担当たんとうする用紙)を使いたいという希望きぼうがありました。

それを伝つたえたら、編集者へんしゅうしゃさんにご快諾かいだくいただき、とてもうれしかったです。

みなさんのおかげですてきな絵本を作ることができ、感謝かんしゃしかありません。ありがとうございます。


最勝寺さんと髙栁さん(写真提供:岩崎書店いきもの係さん)

──『しらすどん』にこめた思いについて、改あらためて教えてください

シラスはイワシなどの仔魚しぎょ、赤ちゃんです。赤ちゃんをこんなにたくさん食べていると知ったときは、申し訳わけない気持ちになりました。

ですが、彼かれらが食べているものもまた、生き物の赤ちゃんです。

釜揚かまあげシラスをよく見てもらうと、おなかが赤かったり、黄色かったりするものがありますが、これは消化管かんの中に甲殻類こうかくるいの赤ちゃんが入っているからなんですね。

甲殻類こうかくるいの赤ちゃんをイワシの赤ちゃんが食べて、それを人の子どもたちが食べている。

食べるほうも食べられるほうも一生懸命けんめい生きているだけ。

その視点してんを大切にして、シラスたちが生きているときの姿すがたを描えがきたいと思いました。

また、この絵本が、「食べ物を粗末そまつにする」ということがどういうことなのかをじっくり考えるきっかけになったらいいなとも思いました。

人は赤ちゃんのとき、食べ物を完食かんしょくできません。たくさんこぼします。

歳としをとって心が子どもに戻もどってしまったときも、同じようになります。

病気や障しょうがいなどの事情じじょうによって、出された食事を食べきれない人もたくさんいます。私わたし自身もそうだった時期があります。

食べ残のこしが悪いことだとひとまとめにしてしまうのは、やさしくないですよね。

それに、自然界しぜんかいでは野生動物たちが食べ残のこしたものは、いつもほかの生き物の食料しょくりょうになっています。

たとえば、地元の神社にサギの巣すがあって、木や電信柱でんしんばしらの下には、サギたちが川からとってきた魚がよく落ちていますが、そういう食べこぼしは地上にいる虫や動物にとってはごちそうです。

生き物が食べこぼしたり食べ残のこしたりするのは自然しぜんなことで、問題なのは、人が必要以上ひつよういじょうに食べ物を求もとめて、食べずに焼却処分しょうきゃくしょぶんしてしまっていることなんじゃないかと思うんです。


──ごみ処理場しょりじょうが出てきたのも印象的いんしょうてきでした。

自分がお皿に残のこした食べ物がどうなるのかを考えてもらえるように、この絵本では主人公に食べ残のこされたもののその後を体験たいけんしてもらうことにしました。

ごみの焼却処分しょうきゃくしょぶんが始まったのは、もともと、人口が増ふえていった時代に、家や町を衛生的えいせいてきに保たもち、人びとが病気にならないようにすることが目的もくてきでした。

清潔せいけつに保たもたれるようになった一方で、焼却炉しょうきゃくろは24時間365日、町中から集められたごみを燃もやし続つづけるようになりました。

食べ残のこされたものも、人工物といっしょに回収かいしゅうされ、燃もやされて灰はいにされ、埋うめ立てられます。

焼却しょうきゃくにも回収車かいしゅうしゃの運用にもエネルギー資源しげんを使っていますし、温室効果こうかガスが発生しています。

埋うめ立てられた焼却しょうきゃく残渣ざんさ(灰はい)が長い時間をかけて土に安全にかえるかどうかは、まだはっきりとはわからないのだそうです。

そもそも、たとえば食べ始める前に食べきれるかどうか考えて、減へらすなり、ほかの人におすそ分けしたりすれば、ごみにならずにすみますよね。

さらに、生ごみを堆肥たいひにするコンポストを使って、土にかえすことができれば、環境かんきょう負荷を減へらせます。

お住まいの地域ちいきやご家庭によっては生ごみを堆肥化たいひかしていたりすると思うのですが、現状げんじょう日本では食べ残のこしの大部分が焼却処分しょうきゃくしょぶんされているそうなので、絵本ではその事実を描えがこうと思いました。


──シラスとして海を生きる展開てんかいもすごいと思いました。

これから読者のみなさんがシラスを食べるときに、そのシラスがどんなふうに生きてきたかを想像そうぞうするお手伝てつだいができるような絵本の展開てんかいにしたいと考えました。

釜揚かまあげシラスの体の組成そせいは8割弱わりじゃくが水分で、2割弱わりじゃくがたんぱく質、そのほかはカルシウム、ミネラルなどです。

高温の焼却炉しょうきゃくろで燃もやされると、一瞬いっしゅんで水蒸気すいじょうきや二酸化炭素にさんかたんそ、窒素ちっそ酸化物さんかぶつなどの気体になって、灰はいとして残のこるのは多分ほんのちょっとです。

その水蒸気すいじょうきは雨になり、海の水になるかもしれない。その二酸化炭素にさんかたんそや窒素酸化物ちっそさんかぶつは海水に溶とけ込こむかもしれない。そうして海の中の生き物に吸収きゅうしゅうされるかもしれない。

灰はいも、土にかえることができれば、ほかの生き物を育てるかもしれない。いつか海の中に流れ着いたシラス由来の物質ぶっしつが、食物しょくもつ連鎖れんさを経へてまた魚の子どもの体に生まれ変かわるかもしれません。

そんなことに思いを馳はせながら、埋立うめたて処分場しょぶんじょうのシーンの次に、主人公が孵化ふかして、海の中の美しい景色けしきを漂ただよい、仲間なかまたちと成長せいちょうして泳げるようになるという話の流れを考えました。

シラスとして生きる美しい時間を、主人公といっしょに読者のみなさんも体験たいけんしたような気持ちになってもらえたらいいなと思います。


──子どものときにこうした絵本に出会い、読みながら感じた気持ちというものはずっと忘わすれないと思います。大人でもそうだと思います。

何かを感じてくれていたら、ありがたいです。

シラス丼どんを目の前にしたとき、シラスを捨すててしまいそうになったときに、そのシラスがどんなふうに生きてきたのか、自分が捨すてたあとにどうなるのかを具体的ぐたいてきにイメージしてもらえたら、行動が変かわるかもしれない──私わたしは、読者のみなさんの現実げんじつを見つめ直す力を信しんじてみようと思って、この絵本を作りました。

ほかにもごはんになったお米の一生、食材しょくざいになってくれた命、そして、漁師りょうしさんや農家さん、食べ物を売るお店の人、料理りょうりを作ってくれた人、厨房ちゅうぼうや台所で出たごみを回収かいしゅうして処分しょぶんしてくれている人たちまで……。たまにでいいので、いろんなことに思いをめぐらせてもらえたらうれしいです。■


【人生編①〜絵本作家になるまで〜】に続く



最勝寺さいしょうじ朋子ともこさんプロフィール
1989年生まれ。神奈川県出身。デビュー作『しらすどん』(岩崎書店、2021年)は「第14回ようちえん絵本大賞理事長賞」を受賞したほか、「第71回小学館児童出版文化賞」にノミネート、神奈川県、岩手県、埼玉県の推薦図書に選出された。2作目の絵本『犬ずもう』(めくるむ、2023年)は「第1回マルジナリア書店絵本大賞」、「第8回ブックハウスカフェ大賞銅賞」を受賞。

(取材・撮影「デジタル少年写真ニュース」編集部 吉岡)

カテゴリー: インタビュー, 未分類タグ: さかなの日, しらすどん, めくるむ, ようちえん絵本大賞, アクリル画, シラス, ブックハウスカフェ, ベストセラー, 児童書, 埼玉県, 子ども, 小学館児童出版文化賞, 小田原, 小田原市, 岩崎書店, 岩手県, 推薦図書, 最勝寺朋子, 本, 水産業, 海, 海の生き物, 海鮮, 漁師, 漁業, 犬ずもう, 環境問題, 神奈川県, 絵本, 読み聞かせ, 読書, 食べ物, 魚, 鳥取大学

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