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現生爬虫類の中では最大の大きさを誇るワニ。
太古の昔からその姿を変えず、水辺に暮らしてきたワニは、爬虫類の中でもひときわ強い存在感を放っています。
国立科学博物館では初となる「ワニ」を特集した展示、企画展「ワニ」。

現在、世界には3科27種のワニがいるそうですが、本展には、剥製、骨格標本、液浸標本を合わせ、そのうちの18種が展示されているそうです。中には初公開となる標本も!
世界のワニの多様な姿や生態を剥製や骨格標本、映像などを通して紹介するとともに、古文書に残る記録から人とワニの関わりをひも解き、私たちと野生動物とのこれからの関係を見つめます。
第0章「ワニを調べる」
日本館1階の中央ホールから展示はスタート。形態や生態、進化の道のりなど、さまざまな切り口からワニの研究が行われています。
研究や教育に役立つ標本は、生きていたときと近い形のまま保存できる、ホルマリン液やアルコールにつける液浸標本が小型の個体では一般的ですが、大きな個体では重くて動かせなくなるという問題もあるそうです。
ビニール越しに液浸標本を触って、ワニがどんな感触なのかを体験できる展示もあります。

中央ホール正面にある迫力のある「シャムワニ」の骨格標本と皮革標本は、同じ個体からとったものです。博物館の骨格標本の多くは、骨の1つひとつを観察しやすいように通常は組み立てずにバラバラの状態で保管しているそうで、この「シャムワニ」の展示でもバラバラの骨を並べて展示しています。

上を見上げるとそこにもワニの標本があります。よく見るとおなかに1本の線が入っています。これは、皮を剥いてその中につめものをして生きているときと同じような形にするために、おなかから切り開いた痕です。

このほかにも野生ワニの調査に使う道具などを展示しています。
第1章「ワニがきた道」
企画展示室の入り口から、第1章が始まります。
ワニは爬虫類としてはトカゲに姿や形が似ていますが、実はトカゲの系統とは違い、鳥や恐竜と同じ主竜類のグループに含まれます。
主竜類の中でも、特に水生環境に適応した動物が、ワニということになります。

この章では、世界各地に分布するいろいろなワニを見比べて、その多様性と歴史をたどっていきます。
主に南米に生息するカイマンの仲間は、比較的小型の種類が多いことが特徴です。
THE ALFEEの坂崎幸之助さんが寄贈した「コビトカイマン」も展示されています。

アフリカのワニで、最近の研究によって「ナイルワニ」から分けられて新種になった「セベクワニ」が、国内で展示されるのは初めてだそうです。

アメリカに生息する「アメリカワニ」の標本は、1934年に国立科学博物館に寄贈されてからずっと収蔵庫に保管されていたものだそう。

世界中のワニが展示されているので、その特徴もそれぞれじっくり観察してみましょう。
ワニは、アリゲーター科、クロコダイル科、ガビアル科の3つに大きく分類されますが、外見上で、口の太さや歯のかみ合わせに違いがあります。

アリゲーター科のほどんとはアメリカ大陸に生息していますが、唯一アメリカ大陸以外で生き残っているのが「ヨウスコウワニ」です。野生の個体は150頭ほどしかいないといわれており、絶滅寸前となっています。

第2章「ワニという生きもの」
ここではワニが持つ特徴を紹介しています。
ワニは、長さと重さのトータルで見れば、現生最大の爬虫類ということになります。
最大のワニの記録は、フィリピンにいた「イリエワニ」で、フィリピンで捕獲された「ロロン」という名の個体は6m以上の長さで、1tくらいの重さがあったといわれています。
国立科学博物館が所蔵している中でいちばん大きな「イリエワニ」の頭骨標本も展示されています。頭のサイズから、全長は5m以上あったのではないかとのことです。
ワニのサイズ感がわかるように、生物の復元画で知られる画家の小田隆先生が描いた全長5mのイリエワニの油絵の原画が展示されています。

ワニが水生生活に適応するために獲得した歯や骨、背面に並んだ大きな鱗(鱗板)、水中で口を開けても水が入らないように蓋のような役目をする「舌基弁」についても詳しく解説しています。

ワニは爬虫類には珍しく「子育て」をするのも特徴です。
いろいろなワニの種類のたまごが展示されているだけでなく、子ワニの孵化の瞬間の映像やその鳴き声のほか、熱川バナナワニ園の飼育スタッフがワニの子どもの鳴きまねをするとそれに大人のワニが反応する映像は必見です。

第3章「ワニと人」
伝説や信仰、化石など、さまざまなかたちでワニと人との関わりについて紹介します。

ワニの名前を持つ生きものの紹介もあるので、どこが「ワニ」なのかを考えて、展示を見てみましょう。

第4章「ワニの現状と保全」
現在絶滅の危機にさらされている種が11種いるワニ。人の活動域が拡大することで数が減っている現状をどう改善していくのか、オーストラリアの事例を中心に紹介します。また、ワニをはじめとした野生生物との共存の未来についても考えます。

2月28日(土)には、企画展「ワニ」に特別協力で参画をしている熱川バナナワニ園の公式キャラクター「熱川ばにお」さんの来館も決定しました。

企画展「ワニ」は3月1日(日)までの開催となります。
企画展「ワニ」
開催場所 国立科学博物館日本館1階企画展示室及び中央ホール(東京都台東区上野公園7−20)
開催期間 3月1日(日)まで
開館時間 9時〜17時(入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日 月曜日
入館料 一般・大学生 630円(団体510円)、高校生以下及び65歳以上無料
※本展は常設展示入館料のみでご覧いただけます
※団体は20名以上
アクセス方法:公式ホームページをご確認ください
企画展「ワニ」公式ホームページ https://www.kahaku.go.jp/tenji-event/nid00001559.html
国立科学博物館公式X https://x.com/museum_kahaku
国立科学博物館公式Facebook https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience/

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