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1月27日に「出た出た!デッター号2〜糖尿病と認知症をやっつけろ!〜」(原作・企画:北折一、マンガ:黒城ろこ、監修:天野敦雄/少年写真新聞社)が発売になりました。

歯科医や歯科医師会などを中心に大好評の本作の原作・企画を担当している北折一先生に、「デッター号」シリーズへの思いをうかがいました。

──今回の「出た出た!デッター号2〜糖尿病と認知症をやっつけろ!〜」を作ったきっかけを教えてください
歯周病という病気は、歯がただ抜けるだけの病気だと思っていたら、どんどん研究が進んでいく中で、いろいろな病気を引き起こすということがわかってきました。
歯周病菌が血管を通って脳まで入って、脳を溶かしていたという衝撃の事実がわかったので、この本では、そのメカニズムを解き明かします。
「たいへんな病気になってしまう!」、「口の中のことで、まさかそんなことになってしまうなんて!」など、ふだんはあまり考えないことなんですけれども、せっかく事実としてわかってきたことを知らないまま、病気になってしまうのは残念なので、たくさんの人に知ってもらいたいと思いました。
──1巻の「出た出た!デッター号〜歯抜けのナゾを追え〜」と2巻では、内容にどんな違いがありますか?
1巻は、ショウタくんが口の中を冒険するのですが、2巻では、口の中だけにとどまらず、血管の中に入っていって、血管を通じて脳の中まで冒険していくというところが、最も違う点です。
体の中を探検する、冒険するというところを、2巻ではどんどんやっていこうと思って書きました。そもそも2巻を出すつもりで1巻を出しましたので、両方楽しんでいただければと思います。

──特に2巻でこだわった点は?
これは1巻にもいえることなのですが、「環境問題」という捉え方です。
口の中のことというと、どうしても「むし歯を予防しましょう」、「歯周病を防ぎましょう」くらいにとどまってしまうんですけれども、もっと広い目で見て、地球で起きている「環境問題」に似たようなことが、一人ひとりの体の中でも起こっているという考え方をすることによって、いろいろなことを守っていったり、防いでいったりすることがもっともっとできるんだということを、子どものうちからわかっていただけたら、これからの世の中が変わっていくんじゃないかなというところに、思いを強くこめました。
1巻よりも2巻で、「環境問題」をより強く入れてみました。
あとは、体の中の菌とか物質に性格があるはずはないわけですけれども、性格づけをしてキャラクター化することによって、このキャラクターはそういう思いでこういう働きをしているのかということを想像できます。これはすごく大事にしたい部分です。
NHKで「ためしてガッテン」という番組を作っていたときから、「インスリリンちゃん」とか、キャラクター化して性格をつけることで、理解がしやすくなると思っています。そこが、こだわりポイントですね。
2巻では、1巻に加えてさらに新しいキャラクターがいっぱい出てきますので、いろいろ楽しんでいただければな、と思います。
それと、凶悪犯でしかなかったはずのいちばん悪い菌、「ジンジャーバリバリ」が、実は「こんなに変わった性格なんだ」ということも、読んでいただくとわかります。
親しみがわく以上に、別の怖さが出てくるかなとか。そんなことも思って読んでいただけたらな、と思います。
──お気に入りのシーンを教えてください。
これはですね、原作の立場としては、文章に書いたものを、黒城ろこさんにマンガにしていただいたところ、びっくりするくらいいいシーンがいっぱいあってですね、選べないんです。
ただ、あえていうならば、めちゃくちゃ地味なシーンなんですけれども、僕がすごく思いをこめたシーンというのがありまして。
1巻でいいますと91ページ、2巻でいいますと139ページ。
2つとも似たようなシーンなんですが、これをぜひみなさんに探していただきたいんです。「ここを気に入っていたんだ」ということを、わかっていだけるとうれしいです。ぜひ、探してみてください。
──新しい女の子のキャラクターもかわいいですが、どこかで見たことがあるような親しみを感じます
NHKに、その子によく似た名前の子がしかってくれる番組があると思います。そのあたりも楽しんでいただけたら、と思います。
──物語を盛り上げる名曲も登場します
今の子どもたちのおじいちゃん、おばあちゃん世代に当たる60歳前後よりちょっと上の人たちは、あの曲、あの歌詞に、とてもなじみがある世代だと思います。その人たちに響いてほしいと思って書きました。
西城秀樹さんという歌手を知っていれば、頭の中で、歌詞を曲に当てはめながら読むことがきっとできるはずだと思いますので、ぜひ、口ずさんでいただけたらと思います。
──改めて2巻にこめた思いを教えてください
「知っていれば守れる」ということです。
知らないままだと残念なことになってしまいますけれども、知ってさえいれば、自分が何をすればいいか、そんなにたいへんなことをしなくても、ちょっとしたことでまだまだ守れるものはあるんだということを、知ってもらえればと思います。
──1巻、2巻と今までになかった「超画期的な世界初の歯周病アクションコミック」ですが、どんな場所で読んでもらいたいですか?
いちばん読んでほしい場所は、歯医者さんの待合室です。原作を書いているときから、そう思っていました。
自分の順番を待ちながら、ついてきたご家族とちょっと話をしながら、お子さんがマンガを読んで、お子さんが診療室に入ったら、今度はご家族がその続きを読む、みたいなシーンを、いちばん想定して書きました。
これから歯が抜けるかもしれない人で、抜けないように努力や対策をすることをいちばんできる世代が、お父さん、お母さんの世代です。
小児科、小児歯科の診療室の待合室で、お子さんと親御さんにこのマンガをいっしょに読んでもらう、それがいちばんうれしいです。
あとは、学校図書館で借りて、家でお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんに読んでもらうことも想定しています。
──最後にメッセージをお願いします。
マンガですので、楽しんでもらうだけで十分かなと思っていますけれども、ひとつ僕からお願いしたいことがあるとするならば、読んだあとに、またいつか、もう1回読んでほしい、そして、2回、3回と読んでほしいということです。
といいますのも、おもしろいだけのマンガはいくらでもあって、確かにそれは本当におもしろいと思うんですけれども、『デッター号』のように、体の中のことを知るマンガは、読むタイミング(年齢)によっては、入ってくる情報の受け取り方が変わると思うんですね。
たとえば、3年後にもう1回読んだときには、「こういうことをいっているマンガだったんだ」ということへの味わいが変わってくると思います。
ですので、みなさんにお願いしたいのは、いつかまた2回、3回と読んでいただきたい。そう思っています。

出た出た!デッター号〜歯抜けのナゾを追え〜
原作・企画:北折一、マンガ:黒城ろこ、監修:岡崎好秀、坂本紗有見 https://www.schoolpress.co.jp/topics/item/c-735_1.html
出た出た!デッター号〜糖尿病と認知症をやっつけろ〜
日本学校歯科医会推薦
原作・企画:北折一、マンガ:黒城ろこ、監修:天野敦雄 https://www.schoolpress.co.jp/topics/item/c-825_1.html
北折一先生プロフィール
1964年、愛知県生まれ。
人気番組「ためしてガッテン」の制作を18年務めたあと、2013年にNHKを退職。
現在はおもに健康教育の分野で、「人々のよりよい生活のお手伝い」を目指して、医療関係者向けに「健康情報の伝え方」の研修、一般向けに「賢いダイエット」などの講演・執筆を行う。

2月28日には「熱川ばにお」さんも来館。企画展「ワニ」は3月1日まで