毎日通る道ばたや学校、公園などで、木々の変化から季節の移り変わりに気づいたことはありませんか?
花が咲いたり、葉がしげったり、実がなって落ちたりと、身近な樹木は、1年を通してさまざまな表情を見せてくれます。身近な樹木がどんなふうに生きているのかを考えたことはありますか?
植物観察家・植物生態写真家の鈴木純さんの新刊『身近な樹木の生き方観察12か月』(文一総合出版「季節の生きもの事典」シリーズ第2弾)は、小学生から植物好きな大人までを対象に、身近な樹木を楽しく観察する方法を紹介した本です。

登場するのは、通学路の街路樹や近隣の公園、学校の校庭などに植えられている、わたしたちの生活に身近な樹木、全89種。
4月は「新緑にかくれた花を探そう」、5月は「目立つ花がたくさん咲く季節」、6月は「じつは咲いている? 目立たない花を探してみよう」など、月ごとに観察テーマに沿って、四季折々の変化を楽しみながら学ぶことができる構成になっています。

鈴木先生自らが撮影した豊富な写真とともに、その月ならではの観察のヒントや注目ポイントも紹介されており、観察する楽しさが広がります。

この本は、小学校などでよく目にする壁新聞のような、子どもたちにも親しみやすいデザインで、春、夏、秋、冬の季節ごとにページの色がわかれていて、どの季節の内容かが一目でわかるようになっています。
同じ樹木が季節をまたいで登場することもあり、季節による樹木の変化を理解し、感じ取ることができます。

すべての文章はふりがなつきで、小学3年生「身のまわりの生物」、小学4年生「季節と生物」、小学6年生「生物と環境」など、小学校理科の学習内容にも対応しています。自然観察や自由研究のヒントもたっぷりつまった、学びの入り口にもぴったりな一冊です。
「たくさんの子どもたちに読んでいただき、身のまわりの樹木を観察することで植物の世界の楽しさを知ってもらいたいです。学校での授業でも役立ちますし、夏休みの自由研究にもぴったりです。図書室や図書館にも置いていただけたら、うれしいです」と編集を担当した志水さん。
著者の鈴木先生が、「植物は知れば知るほど、知らないことが増えていくのです。(中略)こんなにも楽しい植物の世界を、皆さんにもぜひ知っていただきたい。そんな気持ちでこの本を書きました。まずは近所に生えている樹木を見ることから、はじめてみてください!」と、あとがきで書いているように、1年を通して見どころがいっぱいの樹木を観察して、お気に入りの木を見つけてください。身近な樹木を観察して、自分だけのお気に入りの木を見つけてみましょう!
書籍情報
書名:『季節の生きもの事典2 身近な樹木の生き方観察12か月』
著者:鈴木純
ページ数:68ページ
サイズ:B5判
発行:文一総合出版
著者プロフィール
鈴木純(すずき・じゅん)
1986年東京都生まれ。植物観察家、植物生態写真家。東京農業大学で造園学を学んだのち、中国で砂漠緑化活動に従事する。帰国後、国内外の野生植物を見て回り、2018年にまち専門の植物ガイドとして独立。2021年に東京農業大学緑のフォーラム「造園大賞」を受賞。山梨県在住。今年2月に『季節の生きもの事典1 身近な草の生き方観察12か月』(文一総合出版)を刊行。