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9月16日から19日に、東京2025世界陸上で盛り上がる国立競技場で、子どもたちを対象にしたアスリートによる陸上教室「見て、学んで、走りだせ! 世界陸上リアル教室」(主催:東京都)が行われました。事前に応募した、都内の小学校62校(うち特別支援学校6校を含む)の小学4年生から6年生までの児童約3000人が参加しました。

教室では、かつて世界陸上に出場した選手や、現役のアスリートが先生となり、ハードルなどのジャンプの基礎を学ぶ「ジャンププログラム」、正しいフォームで走れるように基礎運動を学ぶ「走り方プログラム」、そして、子どもたちが学んだことを実践しながら、実際にアスリートが競技で走っているトラックを走って、タイム計測を行う「1000分の1マラソン」(42.195m)の3つのプログラムを実施。
また、9月17日には、国立競技場に来ることが難しい、福祉・医療施設にいる障がいがある子どもたちのために、分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)を遠隔操作して国立競技場のトラックを10m走る特別プログラム「走れ!OriHime!(オリヒメ)」も行われました。
この日、この特別プログラムにも参加するために、福祉・医療施設にいる障がいがある子どもたちと事前交流をした、大田区立中萩中小学校の小学5年生の児童たちが、国立競技場へやってきました。

国立競技場に入ると、児童たちは、まず教室の内容や世界陸上や国立競技場について説明を受けました。アスリートの先生からの「国立競技場に来たことがある人いますか?」という質問には、多くの児童たちの手が挙がりました。


そのあと、大会中、実際にアスリートたちがアップなどで使用した室内練習場に移動。「ジャンププログラム」や、「走り方プログラム」が行われ、児童たちは、ジャンプをしたり、走ったりしながら、走る基礎を先生たちから学びました。



そしていよいよ、国立競技場のトラックへと移動。



「1000分の1マラソン」(42.195m)では、走ったタイムが、アスリートたちと同じタイマークロックに出ます。またとない機会なだけに、児童たちは本気で走ります。





児童たち全員が走り切ったあと、特別プログラム「走れ!OriHime!(オリヒメ)」が始まりました。福祉・医療施設にいる子どもたちとオンライン接続した分身ロボットOriHime!(オリヒメ)6体が、トラックのスタートラインに並びます。場内に設置されたモニターに、操作する子どもたちが映し出されました。




競技がスタートすると、それぞれの分身ロボットが、ハードルなどを上手に越えながら、ゴールへと向かいます。大田区立中萩中小学校の児童たちも盛り上がり、声援や拍手を送ります。



みんながゴールするまで応援は続き、特別イベントは大盛り上がり。「カメラ越しでもお互いにがんばっている姿が伝わってきて、会場も盛り上がったので、すごくいいと思いました」と、児童の1人は話しました。

「世界陸上リアル教室」に参加した児童たちに感想を聞いてみると、「国立競技場の練習場で教えてもらったり、トラックを実際に走ったりすることは貴重な体験なので、とてもよかった。実際にすごい選手が走っているところを走れて、とても走りやすかったし、いつも走るときよりも楽しかったです」、「練習場でプロや現役の選手の方にも教えてもらえて、すごい貴重な体験だったし、運動会も近いのでいかせると思いました!」と笑顔。

東京2025世界陸上は「子どもに夢を届ける大会」というテーマを掲げ、東京都、東京2025世界陸上財団、日本陸上競技連盟が協力・連携し、都内だけではなく、被災地の子どもたちを大会観戦に招待したり、「世界陸上リアル教室」などの競技体験の場を提供したりしています。大会をきっかけに、いろいろなスポーツのおもしろさを体験したり、積極的に運動をしたりしながら、その成長につなげてほしいという思いのもと、未来をになう子どもたちに向けて、さまざまな取り組みを行っていました。

このような子どもたちに向けた取り組みについて、9月18日、ワールドアスレティックスのセバスチャン・コー会長が「子どもたちが大会自体を経験するだけではなく、身体的な活動、運動を通して、将来の夢を描くチャンスを与えてくださったということで感謝申し上げます」と、感謝の意を示し、東京都・東京2025世界陸上財団・日本陸上競技連盟に表彰状を送りました。

なお、次回の世界陸上は、2027年に北京(中国)で開催されます。
TOKYO FORWARD 2025 公式ホームページ
https://www.tokyoforward2025.metro.tokyo.lg.jp
(取材協力:東京都/取材・撮影:2025年9月16日「デジタル少年写真ニュース」編集部 吉岡)