世界各国の車いすラグビー次世代選手が集結する国際大会「三井不動産 車いすラグビー SHIBUYA CUP 2025」が、2025年4月18日(金)〜20日(日)の3日間にわたり開催されました。

今年で3回目となる「SHIBUYA CUP 2025」の会場は、2021年8月に東京2020パラリンピックで車いすラグビーの試合会場となった、国立代々木競技場第一体育館です。
これまでは日本とオーストラリアの2か国のみの参加でしたが、今回はアメリカも加わり、パリ2024パラリンピックで金メダルの日本、銀メダルのアメリカ、銅メダルのオーストラリアという、世界トップレベルの3か国から次世代の選手が集まりました(世界ランキング:1位日本、2位オーストラリア、3位アメリカ(2024年9月時点))。
「SHIBUYA CUP」では、代表経験が豊富な若手選手を軸に、次世代の選手たちが選出されます。
今回、初めて「SHIBUYA CUP」に選出されたのは、川口健太郎選手、月村珠実選手、河江大輝選手、角佳樹選手、洞皓貴選手の5名です。





今大会も出場した草場龍治選手(背番号11、クラス1.0)は、2022年の「SHIBUYA CUP」に出場、着実に成長を遂げ、2年後の2024年には日本代表として、パリ2024パラリンピックに出場を果たしました。その活躍は記憶に新しいところです。

また、4月1日から日本代表ヘッドコーチが中谷英樹さんに交代しました。

アシスタントコーチには、日本代表選手の池透暢選手が就任。

キャプテンを務める橋本勝也選手(背番号32、クラス3.5)は「いつもは選手なので、池さんのアシスタントコーチには違和感しかないですが、池さんは大会前の合宿からチームを引っぱってくれているので、自分もキャプテンとして責務を果たして、池さんに全部持っていかれないようにがんばります!」と話しました。
日本は、代表経験が豊富な橋本選手、中町俊耶選手(背番号14、クラス2.0)、壁谷知茂選手(背番号8、クラス2.0)を中心に試合を展開。


特に今回、攻守ともに目を見張る活躍を見せたのは、「自分自身も成長するチャンスだし、自分よりもいいプレーヤーに対して自分もどれだけ挑戦できるかというところを今大会のテーマにしている」と話した中町選手でした。この活躍に、池アシスタントコーチは「彼の成長がすごく光っていた」と笑顔。

大会は3日間にわたって、3チームの総当たり戦9試合が行われ、体力的にも精神的にもハードな中、チームそれぞれが1試合1試合、全身全霊で戦いました。中にはシーソーゲームのような白熱した試合もあり、会場に集まった観客も大いに盛り上がりました。



結果は全勝したアメリカが優勝、3勝3敗の日本が2位、3位がオーストラリアとなりました。
〈試合結果〉
4月18日(金)
オーストラリア🇦🇺50―56日本🇯🇵
オーストラリア🇦🇺45―55アメリカ🇺🇸
日本🇯🇵47―49アメリカ🇺🇸
4月19日(土)
日本🇯🇵45―60アメリカ🇺🇸
日本🇯🇵57―56オーストラリア🇦🇺
アメリカ🇺🇸58―44オーストラリア🇦🇺
4月20日(日)
オーストラリア🇦🇺41―55アメリカ🇺🇸
日本🇯🇵44―51アメリカ🇺🇸
日本🇯🇵51―48オーストラリア🇦🇺
ベストプレーヤーには、オーストラリアからLilliana Prucha選手とAndrew Holloway選手、日本からは鈴木康平選手、大会MVPにはアメリカのAlex Pabon選手が選ばれました。


大会は、参加国の選手、スタッフ全員で記念撮影をして終了となりました。


中谷ヘッドコーチは、「若い選手たちにとって絶好の成長の機会。とにかくたくさん経験を積んでもらうというところで、収穫があったと思います。壁谷選手、中町選手は、レベルの高い相手に対しても十分に自分のパフォーマンスを発揮できていたと思います」と結びました。
なお、日本代表チームは、7月には、愛知県刈谷市で開催される「2025ジャパンパラ 車いすラグビー競技大会」、11月には、タイで開催予定のアジア・オセアニア地区のチャンピオンを決める国際大会「2025 WWRアジア・オセアニアチャンピオンシップ」に参加します。
車いすラグビーの選手たちの活動は日本車いすラグビー連盟のホームページをご確認ください。
(取材・撮影:2025年4月18日〜20日「デジタル少年写真ニュース」編集部吉岡)