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日本建築けんちくの匠たくみの技わざと知恵ちえが国立科学博物館はくぶつかんに集結しゅうけつ!

2025年8月17日 by yoshioka

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国立科学博物館はくぶつかんと日本で唯一ゆいいつの大工道具を展示てんじしている博物館はくぶつかんの竹中大工道具館との共同企画展きょうどうきかくてん「植物×匠たくみ めぐるいのち、つなぐ手しごと」が、国立科学博物館はくぶつかん(東京・上野公園)で9月28日(日)まで開催中かいさいちゅうです。



監修かんしゅうを担当たんとうしている国立科学博物館はくぶつかん植物研究部多様性解析たようせいかいせき・保全ほぜんグループのグループ長、國府方こくぶがた吾郎ごろうさんは、「匠たくみの技わざと知恵ちえの蓄積ちくせきから、現在げんざいの日本の建築けんちく文化が成なり立っています。ですが、それを語るうえでは、材料ざいりょうとなる植物という要素ようそが欠かかせません。この展覧会てんらんかいではそのつながりに注目をして、植物学のほうは国立科学博物館はくぶつかん、建築学けんちくがくは竹中大工道具館が担当たんとうしました」と話し、「とくに小学生や中学生といった子どもたちにこの展示てんじを見てもらいたいので、パネルに似顔絵にがおえイラストや吹ふき出だしをつけてわかりやすく説明せつめいをしたり、なるべく触さわることができる展示てんじを多くしたりしています。見るだけではなく、日本の匠たくみの技術ぎじゅつを五感で感じ取ってもらえたらと思います」と、展示てんじの工夫くふうについても説明せつめいしてくれました。


展示の解説をする国立科学博物館の國府方吾郎さん(左)と竹中大工道具館のチェ ゴウンさん(右)

日本では、昔むかしから身近な植物を上手に活用して、住まいを築きずき、自然しぜんの恵めぐみをいかしてきました。「植物」と「匠たくみの技わざ」がどのような役割やくわりを果はたしてきたのか、「組む」「葺ふく」「編あむ」「つなぐ」の4つの章に分けて、その知恵ちえや技術ぎじゅつを紹介しょうかいしています。



第1章「組む」


日本の木造建築もくぞうけんちくでよく使う木材もくざいがどう選えらばれ、使われてきたのかを紹介しょうかいしています。スギ、ヒノキ、アカマツ、クリの名前は知っていても、実際じっさいにどんな植物なのか見る機会きかいはなかなかありません。植物標本ひょうほんと、これらの木を使用した木材もくざいの展示てんじ、とくに削けずりくずの展示てんじでは、色や質感しつかん、香かおりなどを体感することができます。




また、どのように木と木を組んだら外はずれにくくなるのかを考えて生み出された技わざ「継手つぎて」は、もともとは中国から来た技術ぎじゅつですが、「日本の継手つぎての精度せいどがすばらしい!」と話すのは、竹中大工道具館の学芸員がくげいいん、チェ ゴウンさん。「日本は昔むかしから地震じしんが多いので、揺ゆれても外はずれない緻密ちみつな継つぎ方が必要ひつようだった」のだそうです。中でも面白おもしろい継手つぎてとして、今でも見ることができるのが、大阪城おおさかじょうの大手門の控ひかえ柱ですが、誰だれが造つくったのかもわからず、その構造こうぞうは長年不明ふめいなままでした。X線検査けんさをしてその仕組みがわかったそうです。


大阪城大手門継手の見本を手に取り、説明をするチェさん

「継手つぎて」の見本が置おいてあるコーナーがあるので、組み合わせることができるのかチャレンジしてみましょう。外はずすのは簡単かんたんですが、外はずす前の状態じょうたいに組み合わせて元に戻もどすのは難むずかしく、その技術ぎじゅつのすごさを改あらためて感じることができます。


目玉の展示てんじともなるのが、入り口を入ってすぐのところにある、映画えいが『となりのトトロ』(1988年)で、主人公のサツキとメイが暮くらす家の洋館をモデルにした木造住宅構造模型もくぞうじゅうたくこうぞうもけいです。スギやマツ、ヒノキが場所によって使い分けられていて、とくにマツは油分が多く、粘ねばりがあるので、曲げに対する強度にすぐれた木材もくざいで、梁はりなどによく使われるそうです。



第2章「葺ふく」


よく「茅葺かやぶき屋根」という言葉を耳にしますが、茅葺かやぶきで使う「カヤ」は、「カヤ」という植物ではないんです。「植物でいうカヤは樹木じゅもくなのですが、ここでいう茅葺かやぶきのカヤは、ススキやヨシ、クマザサなどの、屋根を葺ふく草のグループの名前なんです」と國府方こくぶがたさん。


ススキなども意外と大きいことがわかります

茅葺かやぶき屋根の構造こうぞう模型もけいも展示てんじされているのですが、「高知県にいらっしゃる四国で唯一ゆいいつの茅葺かやぶきの親方が、実際にここに来て4日間かけて造つくってくださったものです」とチェさん。「この形は西日本に多いものです。雨漏あまもりしないのかという質問しつもんもありますが、模型もけいの周囲しゅういをくるっと回ってみていただくと、屋根の厚あつさがわかります。厚あつみが40cmくらいあるので、だいじょうぶです。傷いたんだところをまめにメンテナンスすれば、30年から40年はもちます。実際じっさいに使う場所に、道具も置おいてもらいましたので、じっくり見てください」と、チェさんが説明せつめいしてくれました。



茅葺きに必要な道具は使う場所に刺したり、置いたりして展示をしています
屋根の厚みが40cmくらいのしっかりした厚さであることも確認できます

ヒノキの皮を使う檜皮葺ひわだぶきや、スギやサワラなどの薄うすい木板を使う柿葺こけらぶきも展示てんじされていて、屋根を葺ふくのは茅かやだけではないことがわかります。屋根の見本を触さわることができるので、やさしく触さわってみましょう。



第3章「編あむ」


茶室の数す寄き屋や建築けんちくで使われる、竹、畳たたみ、天井材てんじょうざいなどが紹介しょうかいされています。



國府方こくぶがたさんが、「この展示てんじでいろいろな植物の標本ひょうほんを展示てんじしていますが、その中でもとくにおすすめの1つを選えらんでくださいといわれたら、私わたしはイグサを選えらびます。畳たたみの材料ざいりょうですが、みなさんは、植物として見たことはありますか? さらにイグサの花って見たことはありますか? イグサだけではなく、ここに展示てんじしてあるヒメガマなどは、実は今(7月下旬げじゅん)が、花のシーズンなんです。ということは、ここに展示てんじするためには、もっと早く咲さいているところで、花を採取さいしゅしないといけないんです。ですので、なんと、ちょっと早く咲さいている沖縄おきなわに行って、採取さいしゅしてきました。今回の展示てんじには、そんな苦労くろうもあったりします」と教えてくれたので、イグサの植物標本ひょうほんは、とくにじっくりと見てください。花の位置いちや形にも注目です。


イグサなどの秘話について話す國府方さん

第4章「つなぐ」


最後さいごに、「植物」と「建築けんちく」の今後の関かかわりについて紹介しょうかいされています。植物とともに歩んできた日本建築けんちくの匠たくみの知恵ちえと技わざを、どのように未来みらいへとつないでいくのか、考えてみましょう。


映像えいぞうにも注目


各かくコーナーで、実際じっさいに建築けんちくに関かかわっている匠たくみたちの映像えいぞうを見ることができるだけでなく、いちばん奥おくに設置せっちされている大型おおがたテレビでは、この展示てんじのために撮影さつえいした、ススキの名産地めいさんちといわれる「阿蘇山あそさんの茅かや」を育て、守る人びとと、20年ごとの式年遷宮用しきねんせんぐうように茅葺かやぶき屋根の茅かやを、山を切り開いて準備じゅんびする「伊勢神宮いせじんぐうの川口萱地かわぐちかやじ」の2本の映像えいぞうを流していますので、展示てんじと併あわせてご覧らんください。

※YouTubeでも見ることができます。


国立科学博物館はくぶつかん・竹中大工道具館共同企画展きょうどうきかくてん「植物×匠たくみ めぐるいのち、つなぐ手しごと」

開催かいさい場所 国立科学博物館はくぶつかん日本館1階企画展示きかくてんじ室しつ
開催かいさい期間 9月28日(日)まで
開館時間 9時〜17時(入館は16時半まで)
休館日 9月1日(月)、8日(月)、16日(火)、22日(月)
入館料にゅうかんりょう 一般いっぱん・大学生 630円(団体だんたい510円)、高校生以下及いかおよび65歳以上さいいじょう 無料むりょう
※本展ほんてんは常設展示入館料じょうせつてんじにゅうかんりょうのみでご覧らんいただけます
※団体だんたいは20名以上いじょう
アクセス方法ほうほう:公式ホームページをご確認かくにんください

国立科学博物館はくぶつかん公式ホームページ https://www.kahaku.go.jp/event/2025/07plantsandcrafts/
国立科学博物館はくぶつかん公式X https://x.com/museum_kahaku
国立科学博物館はくぶつかん公式Facebook  https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience/
竹中大工道具館公式ホームページ https://plantsandcrafts.dougukan.jp
竹中大工道具館公式X https://x.com/tctm_pr
竹中大工道具館公式Facebook https://www.facebook.com/dougukan


(取材・撮影:2025年7月28日「デジタル少年写真ニュース」編集部 吉岡)

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カテゴリー: イベントタグ: となりのトトロ, イグサ, ススキ, マツ, ワークショップ, 三重県, 上野, 上野公園, 井草, 企画展, 伊勢神宮, 伝統建築, 兵庫県, 匠, 千利休, 和室, 国立科学博物館, 大工, 建築学, 数寄屋, 数寄屋作り, 映画, 杮武器, 杮葺き, 東京都, 植物学, 檜, 檜皮葺, 沖縄, 熊本県, 畳, 竹中大工道具館, 竹中工務店, 職人, 茅葺, 茅葺き, 茶室, 阿蘇山, 高知県

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