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10月25日(土)に、国立競技場(東京都新宿区)にて開催される「リポビタンリポビタン D チャレンジカップ 2025 日本代表 vs オーストラリア代表」に向けて、10月7日(火)に、東京都の新宿区立戸塚第一小学校にて、小学4年生の児童たちを対象に、ラグビーについて学ぶ体験授業が行われました。

講師は、3大会のワールドカップに出場しているラグビー元日本代表でレジェンドの大野均さん、女子ラグビーチーム「BRAVE LOUVE」に所属し、日本代表選手としても活躍している安藤菜緒選手、安尾琴乃選手、そして、全国各地で子どもたちにラグビーやタグラグビーの指導を行っている、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会の向井陽さんの4名。

授業は、ラグビーについて勉強する「ラグビーを知ろう!」という講義と、「ラグビーをやってみよう!」という体験授業の2部構成。
講義を担当する大野さん、安藤選手、安尾選手の3名が自己紹介したあと、クイズ形式の授業「ラグビーを知ろう!」がスタート。大野さんが、ラグビーに関するクイズを出して、児童たちがそれぞれ正解だと思う場所へ移動します。
「ラグビーのボールはどれかな?」から始まり、ラグビーの話やルールについてのクイズに対して、児童たちは、自分が正解だと思う場所へ集まって大盛り上がり!

次に「ラグビーが大切にしている5つの言葉」と題して、ラグビー憲章で述べられている5つの価値(品位・情熱・結束・規律・尊重)について、「品位=正直に行動すること」、「情熱=あきらめずに挑戦すること」、「結束=仲間と協力すること」、「規律=ルールを守ること」、「尊重=仲間や相手を大切にし、礼儀を忘れない」ということを、学校でのシチュエーションなどを交えながら、安藤選手と安尾選手が、児童たちにわかりやすく説明しました。

講義の時間の最後は、質問タイム。たくさんの児童たちの手が挙がり、いろいろな質問が寄せられました。

「どうしてラグビーの選手になったのですか?」という質問には、「タグラグビーを小学校からやっていてラグビーボールを触る機会が増え、中学のときに恩師からラグビーをやってみないかと誘われて、ラグビーを始めました」と安藤選手、「わたしは父親と兄がラグビーをやっていたので、練習を見に行ったりしていて、鬼ごっことかをしているのが楽しそうだなって思って始めました」と安尾選手。大野さんは「高校生まで野球をやっていたので、大学でも野球をやろうと思っていたら、この体格を見た先輩たちから、ラグビー部に勧誘されました。見学に行くと先輩たちが楽しそうで、仲間になったら大学生活も楽しくなりそうだなと思い、入部してラグビーを始めました。身長が高く、体の大きい選手がなることが多いロックというポジションで、23年間プレーしました。きっかけはそれぞれですが、みんなラグビーが大好きなんです」と児童たちに話しました。

2007年、2011年、2015年と3大会のワールドカップに出場した大野さんには、「ワールドカップで苦戦した国はどこですか?」という質問も。大野さんは、「2011年にニュージーランドと対戦したとき、7-83で大敗したのですが、そのときはニュージーランドにびびった状態で試合に入ったので、ふだんの実力も全然出せずに日本は負けました。それは非常にもったいないな、と思ったんですね。そこから、4年間一生懸命練習をして、びびらない強い気持ちをつくりました。そうしたら2015年、なんと、ニュージーランドと同じように強い南アフリカ共和国に、34-32で勝つことができました!」と話すと、児童たちからは盛大な拍手がわき起こりました。
「ラグビーの見どころを教えてください」という質問には、安藤選手は「『ラグビーっていいなあ』と思うのは、1つのボールをみんなでつないで得点をとるところで、それが魅力だと思っています。誰かがタックルをされても、みんなが助けに行ってボールをつなぐところは、やっていても、見ていても、見どころだと思います」、安尾選手は「テレビでよく放送されるのは、コンタクトプレーのシーンかもしれないのですが、体が大きくても小さくても、選手が思いっきり体を当て合うという激しいプレーを見るのが、わたしは好きです。ラグビーは、サッカーから生まれたスポーツなので、パスやキックも同じようにあるので、そういうのも見どころです」と話し、大野さんは「ぜひ見てほしいのは、試合が終わった瞬間の両チームの選手たちの表情です。試合中は殴り合うくらいのことをしていた両チームの選手たちが、試合が終わる笛が鳴った瞬間に握手をして、互いの健闘を讃え合います。試合中の激しさと試合が終わったあとの選手たちの表情のギャップを見てもらえたら、と思います」と、試合後の見どころも教えてくれました。

講義が終了し、休み時間をはさんで、次は体験授業へ。
講師の向井さんが児童たちに「ラグビーは何をしたら楽しいかな?」と質問すると、「走る!」、「キック!」、「選手の顔を見る!」とさまざまな回答が出てきます。
最初はパスを体験しようということで、安藤選手と大野さんがお手本を見せます。

安藤選手と大野さんのロングパスが、児童たちの上を飛び越えていき、児童たちからは歓声が飛び交います。

児童たちは、6人で1チームになって、グループみんなで力を合わせてパスをつなげていく体験をしました。

次はキックです。
安藤選手がけったボールは、体育館の天井付近に届くほどに高く飛んで、児童たちの頭の上を大きく飛び越えていきます。またもや児童たちからは歓声が上がったり、拍手が起きたりしました。

児童たちは、安藤選手がけったボールを上手にキャッチして、そのボールを安藤選手にパスをして戻します。みんなキャッチ&パスを楽しんでいました。

ボールがフィールド(タッチライン)の外に出てしまったときに、試合を再開させるために行われるセットプレーのことを「ラインアウト」といいます。特定の選手が仲間に持ち上げられてボールを確保する大迫力のプレーです。

ラインアウトを、児童たちも体験。なかなか体験できないだけに大野さんたちに持ち上げられると、その高さにおっかなびっくりの表情をする子もいましたが、みんな笑顔で楽しそうでした。
体験授業の最後は、ラグビーの魅力ともいえる、タックルの体験です。試合ではボールを持っている相手チームの選手をつかまえて、地面に倒し、前に進むのを阻止するプレーのことをいいます。

児童たちは、やわらかいマットのようなタックル用の用具に向かって、ぶつかっていきます。
最初はこわごわとやっていた児童たちも笑顔で向かっていくようになり、慣れてくるとだんだん全力疾走で、本気でタックルするようになりました。
タックル体験の最後には、副校長先生が児童たちからパワーをもらって大野さんにタックル!

ガッツボーズが飛び出しました!

こうして楽しかった2時間はあっという間に過ぎ、大野さんは「みなさん今日はありがとうございました。とても楽しかったです。ラグビーの楽しさを感じてもらえたと思うのですが、日本代表戦も見てほしいですし、ボールに触る時間をつくってくれたらうれしいです」と感謝を伝え、あいさつ。
10月26日(日)から女子のラグビーの大会(第36回関東女子ラグビーフットボール大会)が始まる安藤選手や安尾選手も、「女子の試合も見に来てくれるとうれしいです。この機会に興味を持ってくれた子がいたらいっしょにラグビーをしましょう。待っています」と児童たちに伝えました。
授業のあと、児童たちは、「キックがすごく高くて、体育館の天井につきそうなくらいだったのが印象的でした」、「ラインアウトで高くなるのは小学生ではなかなか体験できないから、とても楽しかったです」、「思いっきりタックルするときがいちばん楽しかったです」などと、うれしそうに感想を話してくれました。
日本(世界ランキング13位:2025年10月現在)とオーストラリア代表(世界ランキング7位:2025年10月現在)の大熱戦が期待される「リポビタンDチャレンジカップ2025」日本代表vsオーストラリア代表は、10月25日(土)、国立競技場(東京都)にて開催されます。
大野さんは、「オーストラリアはここにきて調子も上がってきていて、本当に強いチームなので、日本代表がどれだけのパフォーマンスを見せてくれるか、ベテランと若手が融合し、エディー・ジョーンズヘッドコーチがやりたいラグビーをどう体現できるかを見てほしいです。また、ラグビー伝統国であるオーストラリアに、日本の体の大きい選手たちがどこまで通用するのかを、会場で見て感じてもらえたらと思います」と、試合の見どころを話してくれました。
2027年にオーストラリアで開かれるラグビーワールドカップに向けて、力試しとなる大事な試合です。この試合の結果は、今後の世界ランキングや大会でのグループ分け、国際的な評価にも影響するかもしれません。国立競技場で、選手たちを応援しましょう!
「リポビタンDチャレンジカップ2025」日本代表vsオーストラリア代表
日時:2025年10月25日(土) 14:50 キックオフ
会場:国立競技場 (東京都新宿区霞ヶ丘町10番地)
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(取材・撮影:2025年10月7日「デジタル少年写真ニュース」編集部 吉岡/取材協力:公益財団法人日本ラグビーフットボール協会広報室、新宿区立戸塚第一小学校)

 「子どもたちのために」という情熱を忘れずに
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